こんにちは。
数秘33の笹子です。
先日の記事、実録⑮~数秘33の人がわかる嗅覚~で紹介した数秘33の安藤桃子さん。
彼女が監督した、実妹である安藤サクラ主演の映画『0.5ミリ』を観賞した感想をレポートします。
この映画は正直、上記の実録⑮の記事を書くまで全く存じ上げませんでした。
ただ、自分と同じ数秘33の方が撮った映画がどんな感性で撮られたものなのか?という視点で鑑賞したくなりました。
早速、レポートしてみます。
数秘33はリアリティを求める
私はなかなか名作といわれる作品に出会えません。
というのも、例えば数あるテレビドラマでも1話目あたりで
「だめだ、こりゃ。無理」
と観るのを諦めるケースが結構あるのです。
理由はずばり、
「リアリティーへの違和感」。
劇中のセリフや振る舞いに対して
「普通こんな反応しないでしょ」とか
「こんな声量でこんなセリフ、日常では絶対しないわ」
というリアリティへの違和感があると無理なのです。
いかにリアリティがあるか、日常と違和感がないか
これが重要でその感性に合わないと一気に作り物感が気になってしまい、ストーリーにのめり込めないのです。
なので、好きな番組はドラマよりも断然、ドキュメンタリーになります。
さて、今回鑑賞する数秘33の監督が撮る映画『0.5ミリ』は私の感性に合うのでしょうか?!
数秘33好みのリアリティが詰まっていた
今回、この作品に関してはまったくの予備知識0で鑑賞をスタートしました。
作品の口コミなども一切読まず、とにかく鑑賞してみます。
(数秘33さんに観てほしいので、ネタバレ防止で詳しいストーリーは書きません。)
まず、この映画が196分(3時間超え)ということを知りビビりました。
感性に合わなければ、地獄の長さです。
しかし、最初のシーンから引き込まれました。
「う、うわぁ、リアル…」
クラシックな音楽に合わせて、こんなシーンから始まる映画ってまずないと思います。
まさに、序盤からリアルに次ぐリアル。
一つ一つのセリフ、役者の動きが自然なので自分もその場にいるような気分になります。
安藤桃子さんの実妹である安藤サクラ演じるサワが絡んでいく老人たちが、本当に実在する人間にしか見えないのです。
実際は皆、重鎮の俳優さんばかりなのに。
演技をしているのだけど、より人間の本質的な部分をさらけ出している、そんな感じでした。
この映画の撮影現場はすべて、安藤桃子さんが移住している高知県なのですが
出てくる高知の風景、古い家屋、エキストラの地元の人々、そして登場人物すべてがリアリティのかたまりなのです。
例えば、スーパーやショッピングセンターでのお客さんや店員の様子、公園でベンチに腰掛けながら意味なく歌うおじいさんなど、私たちが普段の日常で気に留めることもなく流れていく風景がその中にあります。
本当に周りには撮影クルーがいるんだろうか、と思うほどエキストラの日常感がたまりません。
出てくる食事までもが、あぁこの人たちが食べそうなメニューだ、と見入ってしまいます。
美男美女の恋愛は出てきませんし、作られたおしゃれなセットもありません。
ストーリーは淡々としているようで、一人一人が真剣に生き、私たちの日常もこの登場人物とさほど変わらない息苦しさの中にあると思いました。
練り上げられた伏線はありませんが、人間が「そうなってしまった」悲しい背景が最後に衝撃となって訪れます。
一人一人が確かに生きている。生も性も含めて、老いも若きも生きている。
そんな心揺さぶられる映画でした。
主人公の安藤サクラの演技が逸品です。
現在放送中のドラマ『ブラッシュアップライフ』(日テレ)での演技もかなり自然体なのですが
この映画でも、実姉が撮ったからなのか本人の資質なのかわかりませんが、安藤サクラとサワが同一人物なのではないかという錯覚に陥ります。
あ、これ映画だったんだ。
なんだかどこかで本当にサワ達が生活しているように感じました。
数秘33のあふれる愛
実録⑮~数秘33の人がわかる嗅覚~で紹介した安藤桃子さんの書いた著書『ぜんぶ、愛。』もそうですが
やはり、数秘33らしさがこの映画から感じました。
そこにあるのは、やっぱり「愛」なんですよね。
恋愛とか自己愛といった薄っぺらの愛ではない、人間の尊厳への愛。
生きていることそのままを受け止める愛。
条件付きではない愛。
安藤桃子さんという人の根底にあるそういった愛をひしひしと感じました。
特に戦争への思いを語る津川雅彦さんのシーンは、この映画公開から約10年たった現在の世界情勢を考えるとかなり心に響くシーンだと感じます。
あの映画と比較してしまった
この映画『0.5ミリ』では真っ白な「いすゞの117クーペ」という車が
最後までずっと出てきます。
それに関連して?次に私が観賞したのは、真っ赤なサーブ900という車が出てくる
『ドライブ・マイ・カー』
こちらは、濱口竜介監督による2021年公開の映画。2021年~2022年にかけて映画賞を総なめにしました。
こちらも179分(3時間)の長編です。
ちなみに濱口監督は数秘8です。
『ドライブ・マイ・カー』を鑑賞して感じたのは
「大衆はこういうのが好きなんだな、私はどこもかしこも作り物に見えて入り込めなかった。出てくる俳優、女優がなかなか役柄に浸透しないまま終了してしまった・・・」
というストーリーや役者に共感できない、自分の感性でした。
監督が数秘8だからでしょうか。(数秘33が苦手とする白黒はっきりつける数秘8)
それとも私が変わり者の数秘33のせいだからでしょうか。
『0.5ミリ』で感じた引き込まれる感じ、心が揺さぶられる感じを体感できませんでした。
『0.5ミリ』の情報
2011年 安藤桃子監督自身の書下ろし同名小説が幻冬舎より出版
2013年 実妹である安藤サクラを主演に。同名タイトルにて高知県でロケスタート
2014年 映画公開
2015年 監督33歳の時にこの映画で賞を多数受賞する
個人的には2023年現在、映画のロケスタートから10年経ち、出演していた俳優陣の多くがが他界しているのが切ないです。
そして、安藤サクラにとっては義理の父である柄本明、姑である角替和枝とも共演していることも感慨深いです。
今回、この映画を鑑賞した2週間後に再び観てしまう位、何か引き込まれるものがありました。
数秘33の感性、恐るべし。
数秘33の皆さんもそうでない方も、ぜひ鑑賞してみてください。
ちなみに私はアマゾンプライムビデオで鑑賞しました。
アマゾンプライムビデオで鑑賞するプライム会員でなくても、無料お試しができるようなので気になる方は上のリンクからどうぞ。