購読している新聞に、学生のための就活指南コーナーがある。
アラフィフの笹子はこのコーナーを読むたびに
「自分が学生なら絶対、大企業では採用されないわ・・・」
と思う。
先日も某大手メーカーの若手社員が紹介されていた。
そこには彼の学生時代のエピソードや志望動機が綴られていた。
「学生時代はイベントサークルと居酒屋チェーンのバイトのまとめ役を担っていました。
サークルでは企画を成功させたり、バイトでは仲間や上司と相談し業務を改善。その結果、売上げをエリアのトップに導きました。
そして仲間の喜ぶ顔に充実感を得た自分を発見しました。
そんなことから、人を喜ばす仕事に就きたいと感じ、今の会社に応募し内定。
今は働く人を喜ばせ、顧客に感謝されることに充実感を味わっています。
こんな風に、毎回絵にかいたようなキラキラした学生時代を送った人ばかりが登場するのだ。
私がもし、現在学生でこのコーナーを就活に役立てようと思ったら、絶望するほかない。
サークルも入らず、単発ものやバイトリーダーなんか不在のバイトばかりやっていた。
人とつるむことが苦手な私は、たいして自慢できるエピソードもなく・・・。
当時、なんとか内定はもらったものの、大企業だったら書類時点で相手にもされないだろう。
自分が学生だった頃から、20年以上も経つのにいまだに企業はこういうキラキラ学生の争奪戦を繰り広げているようだ。
うちの子供たちも、あと少しでこういう関門を通過する年齢になる。
バイト先では、まじめさと明るさでなかなか重宝されているようだ。
でも、本人は親から見ても会社員向きの性格をしていない。
売上を伸ばそうとか、みんなを引っ張っていこうとかそんな野望はなく、コツコツと自分の仕事に取り組むタイプ。
じわじわと時間をかけて信頼を集めていくようなうちの子タイプは、
企業の面接では目を引くようなきらきらエピソードもなく、
「みんなを引っ張って目標達成しました!」みたいなリーダーシップもなく、
その他大勢の学生の中に埋もれてしまうのだろう。
大企業=安泰
という世の中では無くなっているが、大企業の手厚い手当や福利厚生は目を見張るものがある。
現在、超零細企業に勤める私は、それらとは全く無縁の生活をしている。
働く時間は同じでも、懐に入ってくるお金の量が全然違うのだ。
やっぱり企業は、わかりやすいエピソード満載のきらきら学生を熱望し、きらきら学生は大企業でさらにきらきらを増して生きていくんだろうな。
もし私が社長だったら・・・
過去の実績は問わずに、星占いや四柱推命、数秘術、なんなら動物占いまで駆使して、
学生をその性質にぴったりな適材適所に送り込んで、企業の業績がどうなるか実験してみたい。
占いは結構、役に立つと思うんだけど・・・・
社会で生きやすいタイプの人と生きにくいタイプの人がいるとしたら、わたしは断然生きにくいタイプ。
会社の規則に則って生き、そこに自分をはめ込むような働き方ができない。
こんな私でも適材適所な場所で、自分らしく働ける未来があればいいなと思う。